
4人の使徒
左幅にヨハネ(手前)とペテロ、右幅にパウロ(手前)とマルコが描かれている。マルコは福音書記者で使徒ではないため、4人の使徒という呼び方は正しくはない。
1526年10月の市参事会宛ての書簡でデューラーが寄贈を申し出た作品だとされている。両幅の下端には「世のすべての支配者たちよ、個の危なき時にあたり、人の惑わしを神の御言葉と取らざるよう筒しみて意を用いよ。神はその御言葉に何ものをも加えまた引くことを欲し給わず。されば次の4名の偉人ペテロ、ヨハネ、パウロおよびマルコより彼らの戒めを聴くべし」と記されている。宗教改革の混乱に乗じて人を邪道へ導く偽預言者への警戒を、ニュルンベルク市民に強くに訴えるためだったと考えられ、市庁舎の会議室に掛けられていたと伝えられる。
また中世以来の人間観を示す四性論にそって「その作品に多血質、胆汁質、粘液質、憂鬱質を認めることができる」とも伝えられている。パノフスキーはヨハネを多血質、マルコを胆汁質、パウロを憂鬱質、ペテロを粘液質とし、警告の眼を向けるパウロに、デューラーが「芸術家の憂鬱質」として高貴な気質としていた憂鬱質をあてている。
四性論については「名画を見る眼1 デューラー メレンコリア・1」岩波新書がわかりやすい。
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1520年代
デューラー
4人の使徒
1526年 板 油彩
215.5×76cm(左)214.5×76cm(右)
ミュンヘン アルテ・ピナコテーク
1526年10月の市参事会宛ての書簡でデューラーが寄贈を申し出た作品だとされている。両幅の下端には「世のすべての支配者たちよ、個の危なき時にあたり、人の惑わしを神の御言葉と取らざるよう筒しみて意を用いよ。神はその御言葉に何ものをも加えまた引くことを欲し給わず。されば次の4名の偉人ペテロ、ヨハネ、パウロおよびマルコより彼らの戒めを聴くべし」と記されている。宗教改革の混乱に乗じて人を邪道へ導く偽預言者への警戒を、ニュルンベルク市民に強くに訴えるためだったと考えられ、市庁舎の会議室に掛けられていたと伝えられる。
また中世以来の人間観を示す四性論にそって「その作品に多血質、胆汁質、粘液質、憂鬱質を認めることができる」とも伝えられている。パノフスキーはヨハネを多血質、マルコを胆汁質、パウロを憂鬱質、ペテロを粘液質とし、警告の眼を向けるパウロに、デューラーが「芸術家の憂鬱質」として高貴な気質としていた憂鬱質をあてている。
四性論については「名画を見る眼1 デューラー メレンコリア・1」岩波新書がわかりやすい。
世界美術大全集14 北方ルネサンス
1520年代
4人の使徒
1526年 板 油彩
215.5×76cm(左)214.5×76cm(右)
ミュンヘン アルテ・ピナコテーク
